顕微鏡で観察された、iPS細胞から作られたミニ肝臓(オルガノイド)のイメージ。小さな球状の細胞群がゲル状の培地に配置され、生命の兆しを感じさせる。
顕微鏡で観察された、iPS細胞から作られたミニ肝臓(オルガノイド)のイメージ。小さな球状の細胞群がゲル状の培地に配置され、生命の兆しを感じさせる。

人の細胞に近い環境で薬を評価できるようになりつつあります。この研究に興味を持つ同僚や、医療の未来に関心のある友人に、そっと共有してもよさそうです。

iPSで作ったミニ肝臓、薬評価に革新 記事の流れと主な事実

岐阜薬科大学の研究チームは、iPS細胞から作る「ミニ臓器」(オルガノイド)を用いて、薬の効果や安全性をより正確に評価する技術の開発を進めています。従来の創薬プロセスではマウスなどの動物実験が中心でしたが、動物と人では反応に差が出るため、有効な薬が見逃されたり、人で副作用が出たりする課題がありました。今回の研究では、皮膚や血液から作られたiPS細胞を用いて直径1ミリ未満の「ミニ肝臓」を培養。脂肪酸を加えることで脂肪肝の状態を再現し、治療薬の候補を検証しています。この技術により、初期段階から人の細胞に近い環境で薬を評価できるようになり、無駄な開発を減らす可能性があります。一方で、ミニ臓器の機能は本物の肝臓の数分の一から100分の一程度にとどまっており、さらなる精度向上が課題です。将来的には再生医療への応用も見据え、iPS細胞から本物の臓器を作る究極の目標も掲げられています。

主な事実

  • 岐阜薬科大学の久世祥己講師は、iPS細胞から直径1ミリ未満の「ミニ肝臓」を作成している。
  • ミニ肝臓に脂肪酸を加えることで脂肪肝の状態を再現し、治療薬の候補を評価している。
  • 従来の動物実験では人との反応にズレがあり、効果や副作用の予測が難しい課題があった。
  • ミニ臓器の機能は本物の肝臓の数分の一から100分の一程度とまだ未熟で、さらなる研究が続く。
  • 将来的にはiPS細胞からの臓器再生を目指しており、移植待機患者の救済につなげる構想がある。

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